6月24日(日)
梅雨らしくない日々が続いていましたが、
今日は宇都宮地方は雨が振ったりやんだりの梅雨空でした。
あいにくの天候でしたが、8名が集まり晴れ晴れとした歌会となりました。
月の 清水つね子(一席)
光に晒(さら)されて
ふかまってゆくのか
山あじさいの
藍
朝雨戸を開けるたびに紫陽花の色が変わっている。
月夜に山あじさいの色が深まるのかと感動した。
藍と月の光の関係がすごい。冴え渡る月の光にさらされている藍色が鮮やか。
作者:俳句の会で五行歌を紹介しているが、「あじさい」の題で書けなかった。
その後公園で見つけた山あじさいを見て、できた作品。
これからも様々な場所で五行歌を普及活動を続けたい。
消えないうちに 栗原貞雄(二席)欠席歌
渡ってみたいよ
近くて遠い
虹の橋
どんな靴履いて行こうか
前二行は平板だが、五行目の「靴」に面白さがある。
行き着けないと承知していながら靴を選ぶ肯定さがすごい。
羽の生えた靴を連想させるメルヘンチックな作品である。
「こころってどこにあるの」 牧(二席)
笑顔が聞く
「ここにあるのよ」
ほっぺをつついたら
しあわせが広がった
孫が必ず聞いてくる問い。昔の友人は「心は胃袋に」と言ったのを思い出した。
満腹になると幸福になるからだとか。五行目の表現がほのぼのとさせる。
作者:孫はいないが、娘が小さかった時によく訊いたことを思い出して作った。
家路に向う人々を 望月成人(三席)
静かに見送る
回送電車の
尾灯(テールライト)がほのかに
赤らむ
幸せな家庭を想像させる。全体的に静かな歌だが、四、五行目に癒される。
とても絵になる作品である。
作者:出張帰りの宇都宮駅での光景を詠んだ。
もう一工夫ほしいと考えたが、うまい言葉がでなかった。
それが逆に作者の想像を膨らませる「余韻」ができたのかもしれない。