モチヅキな五行歌 by望月成人



カテゴリ:マロニエ歌会レポート( 73 )


6月度歌会レポート

6月20日(日)

今月は会場を中央生涯学習センターに移しての開催でした。
欠席歌が多い為、採点方法を変更して得点の分散を狙いましたが、結果的に一席1首
二席4首の団子状態になってしまった。

さよならの挨拶は   颯乙女(一席)
明日が見えない
「じゃね またね」
とゴム毬語
老いを弾ませる

「ゴム毬語」という造語が面白い。私を弾ませてくれそうでうれしく感じるが、
敢えて「老い」を入れないほうが良かったのではないか?
作者は「昔、子供がサヨナラの後で二人死んだことから、「サヨナラ」という言葉は嫌い」
とのこと。

幼子の        鉄路人(二席)欠
寝顔の
安らかさよ
ふうむ
人はこうありたい

赤ちゃんの顔を見て素直に思った歌だろう。とても実感が湧く歌だ。
赤ちゃんが大きくなると憎たらしく見えたりもする。
作者は「こんな気分の昨今です」とのこと。

行けっ!       望月成人(二席)
上がれっ!
そこだぁ!
あぁーっ!
街が轟く

サッカーワールドカップの事だと思った。四行目まで絶叫なのが面白い。
今の時期にピッタリの歌だ。
街中を車で走っていたら、外まで聞こえるくらいのTV観戦での大声援が聞こえて、即興で詠んだ。地響きみたいな意味を込めて、五行目は「轟く」にした。

縁の下まで      清水つね子(二席)欠
飾ってくれる気らしい
ちちちちちちと
白い花火を打ち上げる
鴨足草(ゆきのした)の花

三、四行目の表現が楽しい。「縁の下」まで覗くのはすごい。
二行目の言葉の感情もすごい。

モノクロの日々の中で  牧(二席)欠
アルバムをめくる
セピア色の笑顔が呼び止める
とまどう指先に
風が緑をひそかにおいてった

思いを蘇らせる良い歌だ。四行目に歌の広がりを感じる。
「モノクロ」と「セピア色」は同じか?言葉の重複が気になる。
絵になりそうな歌で一読で心に入ってくるが、
読み返すほど趣旨がわからなくなる。
作者は日々の葛藤の中で、ふとした小さな昔の事に出会いとふれ合いを
思い出した。

朗読:雨乞伸治 書記:まの字

<出席者>雨乞伸治、茶行、颯乙女、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、清水つね子、しのぶ、鉄路人、細井教子、牧
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by gogyouka | 2010-06-23 09:09 | マロニエ歌会レポート

5月度歌会レポート

5月16日(日)

21年度の会計報告があり、昨年は歌集発行もありましたが、予想を上回る繰越金がありました。
会計のまの字さんお疲れ様でした。
清水さんが一席入選の賞品として芍薬の花を持参されましたが、
昨年1月以来の一席になった望月が芍薬を頂きました。

誰のものでもない    望月成人(一席)
一面の青空
すーっと薬指で
一筆の白雲
差してみる

「差す」という言葉に巧みさを感じる。薬指で雲を描く仕草に繊細さを感じた。
日本晴れの空に飛行機雲を見た情景を詠った。
薬指は実際は人差し指で、やや技巧的な歌になってしまった。

花咲けば        しのぶ(二席)
花になる
風吹けば
風になる
歌詠む人の至福

花鳥風月を見て、同化できる事が素晴らしい。同化できたらなんて至福だろう。
文と詞を綴る人の心境の素晴らしさを教えられた。
日本の自然の美しすぎて表現できない。同化するまでは至福ではなく地獄だ。

翔べた日の       雨乞伸治(三席)
記憶が疼く
ぼくの翼(はね)
明日は翔ぼう
翔べたあの日へ

未来へ向う力強さを感じる若々しい歌だ。今まで翔べた事が羨ましい。
人は空へ飛ぶ憧れを持っているが、空は「夢」「希望」「未来」かもしれない。
実は恩師を偲ぶ歌でもある。

来月実施予定だった作品展示会の会場の予約が取れず中止となりました。

朗読:清水つね子 書記:牧

<出席者>雨乞伸治、茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、鉄路人、牧、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄

【来月歌会開催予定】
6月20日14時
中央生涯学習センター 402学習室

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by gogyouka | 2010-05-16 22:11 | マロニエ歌会レポート

4月度歌会レポート

マロニエ歌会レポート

4月18日(日)

今回は初めての出張歌会で那須塩原の老人ホーム「風凛館」へ出向きました。
宇都宮では葉桜になりつつなる中、県北では今まさに見ごろでとても有意義な歌会となりました。

病んでも          牧(一席)欠
着飾って
紅さして・・・
美しくありたい心が
勝つ――と思うから

「病んでも勝つ」に胸打たれる。気持ちを前向きにしていきたい。
病気のときこそ化粧をしないとダメになる。自戒・反省の気持ちを込めた作品にドキッとした。
作者は「何もかも独りで強がって仕事をしている。
『美しくありたい』は心や自分を美化した自己満足」

やっと咲いた桜が      まの字(二席)
雪を呼んだ
どうした 地球
なんては言えない
天は正直だ

なんとも言えない問答が良かった。
40年前にもこんな天気があった。天変地異は飢饉の予兆か?
先週の異常気象は桜が雪を呼んだような気がした。
五行目は「神様」にしていたが、「天」に変えた。

泣き笑う          雨乞伸治(三席)
怒りながらも
夢を見る
弱いけれども逞しい
そんな不思議なひとが好き

楽しい人柄を連想させる。人はみんな同じような要素がある。ある程度感情豊かな人が好き。
作者は1月に見学に来た伊藤さんで、筆名:雨乞伸治として今月初投稿初入選。
普通の人ってなんだろうと考えた時、感情を出せる人が普通なのかな?
五七調を外したかったが、覚えやすい馴染みのあるリズムでまとめてみた。

風凛館の落ち着きのある談話室で気分をよくした朗読者鉄路人さんは、
突如立ちあがり、さらに役者のような抑揚で朗読して、歌会進行も盛り上がった。
朗読次第でも作品のイメージが変わる瞬間を味わうことができた。
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ただ細井さんが入所者にも呼びかけたものの見学者がいなかったのは心残りでした。

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朗読:鉄路人 書記:茶行

<出席者>雨乞伸治、茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、鉄路人、細井教子、
        まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、牧

【来月歌会開催予定】
5月16日14時
姿川地区市民センター 学習室3

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by gogyouka | 2010-04-19 00:33 | マロニエ歌会レポート

3月度歌会レポート

3月21日(日)

黄砂が空を覆ったお彼岸の中日で、参加者が少ないと思いきや、久しぶりに9名の盛会となった。
また今日は次回初の遠征歌会となる会場の「風凛館」の代表の細井さんが参加して下さった。
今回は題詠「音」。
春の足音が聞こえてきそうな賑やかな歌会でした。

雪かと見まごう       まの字(一席)
障子の外明かり
キシキシと
音のするよな
如月 白い満月

キシキシの音が冬の早朝の透明感を感じさせ、心にしみる。
同じような体験をした事があり、情景が目に浮かぶ。4,5行目が想像を膨らませる。
作者は擬音語を使うのは得意だが、4行目の表現に苦労した。障子を開けて輝いた満月をよく見る。

音もなく          鉄路人(二席)
光もなく
深海魚は
自身だけを
信じて

暗い海の中、深海魚が動く孤独感はまるで自分自身のようだ。
水族館で見る深海魚が好き。動きが少ない自分と重ねて見ている。
深海魚にとって暖かい、明るい、うるさい所は嫌なのだろう。
作者は定年退職を意識して、仕事や人間関係から切り離された後、
今までの指標を見失う自分の事を考えてみたら「深海魚」にたどり着いた。

音のない          茶行(三席)
言葉って
じんわりだ
ほほえみだったり
涙だったりね

「表情=音のない言葉」に共感する。言葉より表情の方が嬉しいことがある。
言葉にならない喜び、悲しみなどが五感に伝わる。
言葉で墓穴を掘る事が多々あるが、周囲の人の笑顔で助けられた事を思い出した。
作者は冗談交じりに、口数少ない私ですが、介護を通じて言葉にならない感情をよく目にする。とのこと。

朗読:茶行 書記:鉄路人

<出席者>茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、鉄路人、細井教子、牧、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、咲

【来月歌会開催予定】
4月18日15時
風凛館(那須塩原市)

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by gogyouka | 2010-03-21 23:43 | マロニエ歌会レポート

2月度歌会レポート

2月21日(日)

今日は12月の下野新聞の記事を見て来られた新来会者大崎さんを迎えた歌会だったが、
メンバーの内、当日欠席が2名いた為、6名という少々寂しい歌会となってしまった。
新来会者の感触もよく、来月からも継続して出席が期待できそうです。

言葉よ           鉄路人(一席)欠
絶望の中に
灯る光よ
夢みる力を
もたらせ

言葉は人の心を動かす力を持っている。そんな言葉に出会ったのかな?
観念的かなと思った。歌に具体性があって良かった。
信仰を持っている人が書いたか、夢をみる力を持った言葉に力をもらいたい。
連日の事件・事故・災害のニュースや個人の周囲に起きる出来事を通しての実感を元に、
希望を持つことの大切さを感じ、人を勇気づける歌を詠みたかった。

コツンと木の実       颯乙女(二席)
投げた人
育てよう
心の中に
大切な忠告だから

「コツン」は小さいけど、時間がたってから、大切な忠告と気づいたのだろう。
素直な気持ちを大切にしたい。
旧友に話した言葉が「冗談にしてはキツイ」と言われた。
そのことを今でも覚えている。

亡き義兄に         金子フミ(三席)
似た人見つけた
電車の中
ついに目が合い
どぎまぎす

わかりやすい歌だ。映画の一こまのようだ。
「義兄」という点がニクイ。密かに憧れや恋心を抱いていたのか?
尊敬できる義兄だった。5行目をどう表現したらいいか迷った。

人はなんて         茶行(三席)欠
残酷なことを
したのだろう!
この宝石ブルーの花に
フグリとは・・・

イヌノフグリの事をよく詠んでくれた。春先の宝石のような青い花に惹かれた。
突然の欠席につき、コメントなし

歌会終了後、望月が出場したNHK「のど自慢」の話で盛り上がったが、
見逃した人のためにPCを持ってきたが、動画ファイルを忘れて、来月のお楽しみとなった。

朗読:颯乙女 書記:まの字

<出席者>金子フミ、清水つね子、颯乙女、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、茶行、しのぶ、鉄路人
<見学者>大崎繁子

【来月歌会開催予定】
3月21日14時
姿川地区市民センター 学習室3
題詠「音」
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by gogyouka | 2010-02-21 20:16 | マロニエ歌会レポート

1月歌会レポート

1月17日(日)

今日は12月の展示会をご覧になった伊藤さんが見学に訪れた。
今後のマロニエ歌会への定着も期待しての、今年最初の歌会となった。
伊藤さんは俳句も嗜んでいるとの事で、評価コメントも鋭かった。

語るほどの          鉄路人(一席)
ものでもないが
言いたい気もある
勤続三十八年
定年退職

2ヶ月連続の一席。
いろんなことがあったのだろう。大変さが伝わってきた。
主人も同じ立場でこんな気持ちだったのだろう。
この春定年退職を迎える作者のコメントは「今の若い人たちは就職の段階で希望通りにいかないので、
勤続38年はできないだろう。そういう点では幸せである」
永年お勤めお疲れ様でした。

私の             まの字(二席)
内に住む
がんばり虫は
老い知らずで
困っています

読みやすい。とても共感する。
「老い」「病」の歌は沈みがちになるが、この歌は羽ばたくようでとても光っている。
元気な作者は「いろんな事に対して、自分の中のがんばり虫が次々出てくるので、
死に急いでいるのではないかと心配する」と笑顔で答えた。

チェンジ           茶行(三席)
ではなく
リセット!
一からは無理
せめて六辺りからかな

温情を持ったリセットの気分が「六辺り」に現れている。
現政権を皮肉っているようにも読める。「六辺り」というゆるさが面白い。
作者は「頑固な性格なので、半分位は凝り固まって直らない」と自嘲気味。

一面の            望月成人(三席)
雪原の
遥か遠くの
夜明け前の
君の住む街

「の」で結ぶところがリズムがあって好き。
情景が目に浮かぶ。とてもロマンチックな感じだが、空想か?
実際は雪深い地方への出張での一コマ。
「君」は特別な人ではなく、一部空想もあり。


新春の霜の原         牧(三席)欠
光のつぶつぶが舞い上がり
全身にふりそそぐ
― 洗礼 ―
ああ、私は活きる

歌のような情景に出会ったら感動するだろう。
4行目に余韻を感じる。前向きなところがよい。
作者は「洗礼は信者としてではない。風景の中で感じたものを詠んだ」と手紙にコメントあり。

朗読:清水つね子 書記:鉄路人

<出席者>金子フミ、茶行、しのぶ、清水つね子、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>石川陽子、栗原貞雄、颯乙女、牧
<見学者>伊藤義則

【来月歌会開催予定】
2月15日14時
姿川地区市民センター 学習室3
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by gogyouka | 2010-01-17 19:39 | マロニエ歌会レポート

12月度歌会レポート

12月6日(日)

今日は下野新聞社からの展示会と歌会の取材があり、一人ひとりインタビューを受けた。また五行歌誌「彩」の代表風祭智秋さんもゲストに迎え、とても賑々しい歌会となった。
また今月は出席者全員満点の過去最高点が出て、全員一致で満点の作品を「ホールインワン賞」と名づけた。

この月を          鉄路人(一席)欠
眺めていたのか
縄文の人も
砂漠の戦場に
武器持つ人も

時代を超越して人々が見ている月がすばらしい。深く、広くスケールの大きい作品である。反戦歌としてとても良い。満月を眺めていたら古代人を想いました。そして砂漠の戦場で緊張している兵士のこともなぜか連想してたとの事

師走            栗原貞雄(二席)欠
戸に隠れし蟷螂(かまきり)
枯葉色
鋭利な鎌の
栄光はなく

師走のよたよたしたカマキリの様子がよく描かれている。枯葉色が効いている。わびしさがよく現されている。作者は師走に見かけたカマキリは精彩がなく栄光はなかった。とても哀れに感じた。

糸と思い          風祭智秋(三席)
吐き出すことを
忘れたように
座っている
冬の蜘蛛

冬の蜘蛛としたのが独特。蜘蛛は座禅でもしているのか、擬人化しているのか。
作者は本来吐かなければならない糸も、獲物をとらねばならぬといった欲・思いもなくじっとしている蜘蛛をそのまま描いた。

歌会終了後は展示会の作品の前で記念撮影を取り、近くの居酒屋で少し早い忘年会で、今年の最後の歌会を締めくくった。
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朗読:風祭智秋 書記:しのぶ

<出席者>風祭智秋、茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、まの字、望月成人
<作品のみ>岡崎静、栗原貞雄、牧、鉄路人

【来月歌会開催予定】
1月17日14時
姿川地区市民センター 学習室3
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by gogyouka | 2009-12-06 22:43 | マロニエ歌会レポート

11月度歌会レポート

11月15日(日)

先日の静岡県清水町での国民文化祭と全国大会について報告があった。
国文祭の中の文芸祭「五行歌」において茶行さんが清水町実行委員会会長賞を受賞され、
みんなで喜びを分かち合った。
また「長い夏休み」を終えて、清水さんが久々の参加も嬉しかった。
なお今回は題詠「湯」で、ポカポカする作品が多かった。

「せんばやまには      清水つね子(一席)
 たぬきがおってさ」
湯槽で
柚子の
まりをつく

かわいらくしほのぼのとする。
季節に合う、柚子を沈め浮かぶ様子をまりつきに例えたのが面白い。
浮かび上がるまでの時間が、この童謡のリズムにピッタリあった。

新聞の片すみ        鉄路人(一席)
読みながら
クシャミひとつ
ほっ!
人生に湯冷めしそうだ

「人生に湯冷め」に批評精神や風刺を感じる。
作者は最近の新聞記事は理解不能な事件ばかりで、
若い頃は熱くなったが、今ではもう白けるだけ・・・

湯に入り          岡崎静(二席)欠
瞳を閉じて
一呼吸
さぁ!始まるよ
ワンマンショー

楽しくお風呂に入る「ドラマ」が始まりそう。お風呂の中で鼻歌が聞こえてきそう。
本来は五行目の最後に顔文字があったが、編者の独断により削除した。

「ああ、いい湯だ」     牧(二席)欠
働いて、働いて
働いて逝った母
「これが、
 一番の幸せ」――と

自分の母親も同じだった。今の若いお母さんは楽をしている。
「働いて」の繰り返しが重い。風呂が一番と思うが、自分はまだまだ・・・と反省。

24日~12月7日まで宇都宮市中央生涯学習センター まつがみねギャラリーにて
恒例の展示会を開催する予定です。
今年は姿川地区の文化祭には、望月の手違いにより不参加となったため、
是非ともこちらを盛り上げたい。

朗読:清水つね子 書記:鉄路人

<出席者>茶行、清水つね子、颯乙女、鉄路人、望月成人
<作品のみ>あつし、岡崎静、栗原貞雄、しのぶ、牧、まの字

【来月歌会開催予定】
12月6日15時
宇都宮市中央生涯学習センター 402学習室

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by gogyouka | 2009-11-15 23:02 | マロニエ歌会レポート

10月度歌会レポート

10月18日(日)

先日刷り上ったばかりの歌集「とちの実」第3号をお披露目した。
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装丁は第2号と同じだが、余白の設定にミスがあり、
若干右よりの仕上がりで左のページが見づらいが、わが子のように愛おしい歌集となった。
当日だけで約40部が会員たちの手に渡った。

水が水として        鉄路人(一席)欠
空気が空気として
あることの素晴らしさよ
ありがとうを
どこに向かうべきか

当然のことだが、水は水空気は空気の役割を果たしている。
これを人間に置き換えると一人一人がそれぞれ存在しているということ。
4,5行目の解釈が分かれるが、グローバルな視点を感じさせる歌である。

犬の為にと         岡崎静(二席)欠
始めた夜散歩
今ではため息つきながら
私に付き合う
にくい犬(やつ)

読んでいて笑ってしまった愉快な歌。犬と飼い主の愛情が感じられる。

黙(もだ)する闇に      颯乙女(三席)
香を
ただよわせ
きっとさみしい
金木犀

「きっとさみしい」という表現が効いている。
きんもくせいの気持ちを汲み取るというのが新鮮。
作者は夜になると特にあちらこちらの家にあって匂ってくる。
金木犀が「ここにいるよ」と存在を示している気がして擬人化した。

何をしたというのだ     まの字(三席)
こんな所の痛み
思い出せない
物忘れ話の笑いの中で
ほろ苦いお茶を飲む

認知症の人もこのようにほろ苦いお茶を飲んでいるのだろうな。
「こんな所」を「こんな心」と解釈して自分のことのように感じた。
作者は「こんな心」はストレートな表現に憚りを感じたので「所」にした。

捨てられた         しのぶ(三席)
子猫たちと
世を捨てた
老女等
秋雨が降る

捨てられた子猫が我が家に来て、同様の体験をした。
子猫と老女と秋雨でわびしさが漂う。
作者自身の体験談。拾った当時の様子を描いた。
「世を捨てた」は帰国後日本の世相への関心が低下している意味。

久しぶりに金子さんもお孫さんを連れて参加し、持ち寄ったお菓子もいっぱいで、
とても賑やかな歌会だった。

朗読:颯乙女 書記:しのぶ

<出席者>金子フミ、茶行、しのぶ、颯乙女、まの字、望月成人
<作品のみ>岡崎静、栗原貞雄、清水つね子、鉄路人

【来月歌会開催予定】
11月15日14時
姿川地区市民センター 学習室3


題詠 「湯」
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by gogyouka | 2009-10-18 23:15 | マロニエ歌会レポート

9月度歌会レポート

9月13日(日)

前回の歌会から2週間後の歌会だったので、あっという間に歌会になった。
インド旅行帰りの鉄路人さんや、ブラジルから帰国したしのぶさんの現地の話に盛り上がり、
足の手術で退院したばかりのまの字さんも元気に参加し、とても賑やかな歌会となった。

時は進む          しのぶ(一席)
嘆いても
悔やんでも
命尽きる日に
向かう

平々凡々と生きている中で、改めて考えさせられる。入院していると命の現実を見る。
命尽きるまできちんと生きなければとつくづく思う。5行の後に続く余韻が大切だとおもう。
作者は若い人を励ますための言葉をそのまま歌にした。人は必ず死ぬという無常観を表現した。

夏とも           茶行(二席)
秋とも
言えなくて
私によく似た
九月がゆれてる

すっきりしている。ゆれている時期は誰にでもあるが、表現が面白い。
9月は季節の境目であるが、遊び心を感じる歌。
作者は私は八月生まれだが、心に吹く風は夏なのか、秋なのかわからないほど、
中途半端だったりする。

いのちひとつを       颯乙女(三席)
空に放ち
役目を終えて
空蝉
夢のあと

抜け殻を主眼にして命を吹き込ませることに面白さを感じる。
歌に達成感があり、心の中にスッと入るよい歌だ。
作者は5行目は悩んだ。脱皮した蝉を見て、幼虫が地上に出て、
蝉が上手く飛び立てた事の幸せを表現した。

朗読:まの字 書記:鉄路人

<出席者>茶行、しのぶ、颯乙女、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>岡崎静、栗原貞雄、清水つね子
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by gogyouka | 2009-09-13 09:40 | マロニエ歌会レポート


想いのままを、五行で詠う。
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
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