モチヅキな五行歌 by望月成人



カテゴリ:マロニエ歌会レポート( 73 )


9月度歌会レポート

9月21日(日)

今回はブラジルより1年ぶりに一時帰国したしのぶさんも参加して、
参加者は久々に9名となり、とても賑やかな歌会となりました。
なお今月は題詠「眠り・寝る」で作品は11首で入選は5首の激戦でした。
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からすうりの花は       牧(一席)
夕やみの中に一世(ひとよ)の命と咲き
真綿色の思いを包みこんで
眠り逝(ゆ)く―。
朝の陽光(ひかり)も見ずに

一夜の花で月見草を連想した。朝萎んだ哀しい花のイメージが素敵。
夜咲く花が好き。からすうりはレースで作ったような花で夜7時頃からひっそりと咲き、
朝の光の中で萎む。儚い命に胸がドキドキする。
作者はそこら中にある花だが、夜しか見られない。
涙をこぼしそうに咲く花の儚さを詠んだ。

カーテンの向こう       鉄路人(一席)欠席歌
ほらそこ
ね、そこに秋
ああそれで
この眠り

会話調がリズミカルでとても良い。
カーテンの向こうに秋がある、という表現が明るくて新鮮である。
若いお母さんと小さい子供が会話しながら寝ているのか?それとも夫婦の会話か?
しかし作者の独り言でがっかり。
涼しい夜に何か歌になりそうな感じがあったので、すぐに詠んだ。秋の気配が先にあり、
お題にピッタリ結びついた作品になって良かった。

久々の            しのぶ(二席)
ふるさとに
つつまれ
眠り
眠る

ふるさと日本に帰ってきただけで眠れるのかなぁ。4,5行目に作者の強い思いを感じた。
ふるさとの暖かさの中に眠って、作者は心が安らいだであろう。
作者はとにかく日本の空気を吸っただけで安心して、血圧も下がり深く眠れるようになった。
ブラジルも好きな所だが、ふるさとはやはり良い。

薄目を開けた         望月成人(三席)
黄土色の満月が
眠らぬ
虫たちに
微笑む

雲のかかった満月が虫たちに「まぁ頑張って鳴いているな」と目を細めている感じの月と
虫の描写が可愛らしい歌。
絵本の情景が目に浮かぶ。「黄土色の満月」に神秘さを感じる。
作者は満月の表情がまるで菩薩の半眼のようにやさしく見えた。

孫去りて           颯乙女(三席)
祭のような日々
なつかしむ
燃え尽きて
うたた寝する夫婦

楽しみにしていた孫が来ると忙しい。まさに歌の通りで共感できる。
4行目がリアルで噴出しそうになる位面白い。
作者はこの夏孫4人に囲まれ騒々しくてじん麻疹ができた。
ご主人に作品を見せたら、「なるほどな」と納得してくれた。
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歌会終了後は忘年会以外では初めての2次会(茶話会)を実施し、
会場近くのカフェレストラン「マリアテラス」で行われた。
そこで約2時間しのぶさんの土産話に花が咲きました。
残り1年のしのぶさんのブラジルでの働きと健康を祈っています。

なお清水つね子さんは歌会のみ出席で、鉄路人さんは茶話会のみ出席でした。
鉄路人さんのコメントは茶話会での冒頭で発言された。
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朗読:牧 書記:茶行

<出席者>金子フミ、茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、貞木、牧、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、鉄路人
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by gogyouka | 2008-09-21 14:12 | マロニエ歌会レポート

8月度歌会レポート

8月10日(日)

今月は第2週の開催となりましたが、お盆前ということもあり、
参加者が4名と少々寂しい歌会となりました。
結果は接戦となり同点一席が2首、同点二席が2首だったため、三席はありませんでした。

田の面(も)は深緑(ふかみどり) 鉄路人(一席)
稲は穂を出す
蝉の声時を止め

そよともなし

後3行が電報のようで面白い。写真のような一こまだが、何時頃かわからない不思議な歌。
今の田んぼは黄緑色で深緑ではない。
作者は車を運転しながら見た光景のため、道路脇から田んぼを見たので深緑になった。
3行目以降はイメージを優先させたフィクション。

まだ見えぬ          颯乙女(一席)
黒き瞳(め)を閉じ
嬰児眠る
盗まれそうな
夏座敷

「夏座敷」の広い空間・涼しい風に包まれ眠る赤ちゃんのイメージが眼に浮かぶ。
昔良くあった情景だ。
作者は4人目の孫が生れたことと以前空き巣に入られた出来事を重ねて詠んだ。

ズスン・パキパキッ      まの字(二席)
七重八重に咲き輝いて
蛇の目傘に
千粒の雨ころがす音させ
花火はもとの闇に帰る

3,4行目が花火の音を上手く表現している。
北京オリンピック開会式の花火を連想した。1行目の表現も面白い。
上三川町の花火を詠んだ。以前蛇の目傘を差していたので、3,4行目がすぐ出来た。

いみ嫌われる         金子フミ(二席)欠席歌
カラスでさえ
首をふりふり
会話するファミリー
どうだ

家にノラ猫が来る。エサをやるとカラスが食べに来る。
ファミリーで首をふる様子がよくわかる。
カラスの動作を「どうだ」に結びつけた批判精神が面白い。
投稿2回目での初入選でしたが欠席歌のため、コメントなし。

朗読:颯乙女 書記:鉄路人

<出席者>颯乙女、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>金子フミ、茶行、清水つね子、貞木
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by gogyouka | 2008-08-10 23:59 | マロニエ歌会レポート

7月度歌会レポート

7月13日(日)

今月は久々に第2週の開催。
1週間勘違いをした人もいて、前夜に電話してなんとか歌会に参加してもらえた。
また先月見学に来られた金子さんも歌会に参加し、賑やかな歌会となりました。

一人             しのぶ(一席)欠席歌
異国に病んで
わ・た・し・を
みつめる
夜も昼も

「わ・た・し・」の「し」は死に通じているのか?非常に重い歌だ。
孤独感、寂しさ、辛さを痛感する。
作者は疲れとストレスが溜まり、悪性の風邪をひき、薬漬けの日々を送っている。
一人アパートに寝ていると「幽魂離脱」ともいえる心境になり、
様々な経験(幻覚?)をしたことを詠んだ。

一匹鳴いては         颯乙女(二席)欠席歌
後を追う
ガマの輪唱
口論のように
庭の中

ガマの鳴き声なら、口論のように聞こえるかもしれない。
口論のような輪唱というのも面白い。
欠席につきコメントなし。

ほったりと          まの字(三席)
夏椿落ちた
子蛙が跳ね飛び
膝立てた石仏の
まどろみを破る

石仏のまどろみを破るかのような情景が面白い。
「ほったり」という表現が夏椿の落ち方を上手く表現している。
閑かな雰囲気を「まどろみ」が完璧に醸し出している。
作者は自宅裏の祠の様子を詠ったが、語彙や表現をかなりこねくりすぎたと反省の弁。

六月のそら豆         鉄路人(三席)
白い皿に輝き
天に連なる

ほお張る

そら豆は上を向いて咲くので、そら豆というが、非常に若々しい歌だ。
「ジャックと豆の木」を連想させ、元気になれそうないい歌だ。
「天に連なる」より「繋がる」の方が、意味が解りやすいかも。
作者は六月の花嫁と白いドレスのイメージをを変化させた上に、
そら豆のエネルギーも表現したかった。もうちょっと遊び心を入れたかった。
と「よく張る」(苦笑)

朗読:貞木 書記:まの字

<出席者>金子フミ、清水つね子、貞木、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、しのぶ、颯乙女
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by gogyouka | 2008-07-13 23:59 | マロニエ歌会レポート

6月度歌会レポート

6月15日(日)

今月は作品展を行っている宇都宮中央生涯学習センターに会場を移しました。
作品展の甲斐あって、新来会者の見学があり来月から歌会に参加していただけそうで、
とても盛り上がった歌会となりました。
歌会終了後、望月がチラシ作成、飾り付けした作品展を鑑賞した。
なお作品展に設置したチラシは2週間で200枚以上が捌け、今後の反応も期待できそうである。

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満月冴えわたる        しのぶ(一席)欠席歌
今宵
異国の街
故郷に似て
胸しんしん

阿倍仲麻呂の気持ちか。同じ月を眺めつつ望郷の念を詠える事に
「この会があって良かった」と作者は思っているのではないか。
作者は「ブラジルに来て丁度一年経つ。現在滞在しているレシーフェという北の町は
我が家の近辺にやや似た雰囲気。
昼間のぎらぎらした太陽が沈み、満月が昇るときはいつも故郷をしのんでいます」とのこと。

セルフコントロール      鉄路人(一席)欠席歌
できぬ者の凶行またもや
怒りだけでも
理解だけでも
立ち行かぬ現実

まさに時事五行歌。五行目に作者のやりきれない思いが滲み出ている。
「またもや」と思う事件が多発していることに対しての憂いに共感。
作者は「ご承知の通り秋葉原の事件を念頭に置いたもので、
連続するこの手の事件を思うと歯がゆいばかり」とのこと。


臭いと言われ         颯乙女(二席)
嫌われ者の雑草を
カゴに摘んだ人
十字架に似た
純白の花

優しい言葉・表現で、三行目に母の姿が重なる。
臭い雑草はドクダミだと思うが、雑草摘みは6月の良い想い出でもある。
雑草の中でも綺麗な花を咲かせるものが多いが、作者の花に対する優しい視線を感じる。
実際には「カゴ」ではなく「ザル」を使った夫の雑草摘みの姿を詠んだ。
ドクダミは薬草でもあるので、煎じて飲んでいる。

子供は自分の心だけ持って   まの字(三席)
いつか一人立ちする。
その前に奴の心に
「人間として生きる」球根(たね)を
いくつも埋めておかにゃならんの。

大抵の親は子供に甘いが「奴の心」に子供に対する熱い思いが伝わってくる。
子供の根っこの部分を作ることが親としての務めである事を実感した。
二、五行目に敢えて句点を入れている所に作者の拘りと確信を感じる。
作者は秋葉原通り魔事件で「またか!」と思った。
種を「球根」にしたのは風に飛ばされないように深く埋めたい思いを込めた。
人の所為にせず自分で生き抜くため、親はいろんな事を子供達に教えておかなければならない。

ちなみに望月の歌は「0点」だった。
歌会代表の「裏一席」に新来会者もこれから安心して歌が詠めるのではないかと、
完璧な得点を誇らしく思っている。

朗読:清水つね子 書記:茶行

<出席者>茶行、清水つね子、颯乙女、貞木、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、しのぶ、鉄路人
<見学者>金子フミ
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by gogyouka | 2008-06-15 23:59 | マロニエ歌会レポート

5月度レポート

5月18日(日)

会計のまの字さんから昨年度の会計報告を受ける。
昨年度は歌集の発行があったので、若干赤字だったが、繰越金から充当。
歌集発行はやはり隔年が適当と感じた。
また全国大会について参加を呼びかけた。
全員参加の予定なので10月が待ち遠しい。

こだわりの箍(たが)     茶行(一席)欠席歌
はずしてみたら
心がスーッと軽くなった
真っ赤な紅など
ひいてみようか・・・

一行目の表現力が上手い。五行目がとても惹かれる。
若い頃は落ち着いて化粧などできなかったに違いない。「30代に会いたかった」の声も。

これまでの          鉄路人(二席)
人生を振り返れば
いろいろと……と
そんなことより
早くメシと……と

五行目が面白い。メシの仕度をすると、人生の話も冷めてしまう。
時間をかけて振り返りたいけど、ゆっくり食事する暇もないほど、流されているのか?
実はつい数日前の作者夫婦の会話。「いただきます」の前の奥様の話が長い。
「早く食べたいのに。。」に会場は爆笑の渦。

やっとやっと増やした     まの字(三席)
深紅の芍薬
まるい蕾が3コも
ママゴトのお膳に乗っている
祖母(ばあ)のタメ息は堪忍袋の中へ

怒ってもしょうがない作者の気持ちが十分わかる。しかし孫には敵わない。
芍薬を大事に育てて6コ芽を出したうち、いつの間にか3コ無くなった時は、
かなり動揺した。残り3コは見事に咲いたので良かった。
蕾全部が摘まれていたら、堪忍袋の緒は切れていたかもしれない。

一列に並んだ         栗原貞雄(三席)欠席歌
葱坊主
何考えているのか
話し合っているのか
世相は厳しいよ

葱坊主と同じ目線で話しかける作者の優しい眼差しが目に浮かぶ。
ネギを擬人化している所が面白い。

朗読:鉄路人 書記:まの字

<出席者>清水つね子、颯乙女、貞木、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、茶行
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by gogyouka | 2008-05-18 22:23 | マロニエ歌会レポート

4月度歌会レポート

4月20日(日)

新年度を向かえ、久しぶりの7名参加で大盛会。
作品のコメントの中にもいろんな雑学がいっぱいで興味津々だった。
「山桜の隠語」「神様が通る道」とは・・・
これが歌会の醍醐味だと改めて感じた。

静まり返った         まの字(一席)
満開の桜の洞門(トンネル)
ゆらりともせず
樹々は息をつめている
神様のお通りか

華やかさと緊迫感を感じる。静止画のように時間が止まった美しさが4行に生きている。
夜桜か?5行目に作者の感性の鋭さに感銘した。
作者はさくら市の桜を詠んだ。今まで何度も通った所だったが、
自分以外誰も居らず、車も通らず、無風だった。
その瞬間に4行まで詠めた。
こんな素晴らしい道は神様に通っていただきたいと思った。
でも一席を貰える様な素晴らしい歌ではない、とご謙遜。

失った初心を         清水つね子(二席)
探し歩いて
枯草を分け出た
よもぎの
瞳(め)に出合った

よもぎの瞳が可愛い。「失った初心」がそこにあるのか?
3行目が前半に掛かるか、後半に掛かるかで印象が大きく変わる。
1,2行目はイメージで4,5行目は現実。それを繋ぎ合わせるのがスゴイ。
作者は最近五行歌作りが低迷している。
全く自信がなくなった頃、散策した時の情景を詠んだ。芽を瞳にしたのはインパクトを狙った。

そうだった          鉄路人(三席)
思いや願いは
言葉にし
口にして
現実になるのだな

こんな歌が出来たらいいなあ。思いの呟きがそのまま五行歌になった理想的な歌。
神に手を合わせ願わなければ叶わない事に再認識した。
この歌で念願を成就させたしのぶさんを思い出した。語り口調が「相田みつを」を彷彿させる。
作者は現在キリスト教に関心を持ち求道中である。
その祈りの中の言葉が現実になること、忘れていたことを思い出す現実を体感した。

朗読:清水つね子 書記:茶行

<出席者>茶行、清水つね子、颯乙女、貞木、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、しのぶ
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by gogyouka | 2008-04-20 20:56 | マロニエ歌会レポート

3月度歌会レポート

3月16日(日)

今月は5ヶ月に一度の題詠でした。お題は「飛ぶ」です。
さぁ、春の空を自由に飛ぼう。

「ソーレ!」って       茶行(一席)欠席歌
もう一押しさえあれば
飛べたのに・・・なんて
いっつも他人(ひと)のせいにして
生きてきた

こういう人は好きではないが、意味の強さに惹かれた。
不完全燃焼の人生を後悔している素直さが良かった。


「どこへ飛ぶ?」       しのぶ(二席)欠席歌
蛍一匹と
蚊帳の中の私
丘の上の一軒家
ブラジルの広さに囲まれて

五行目の表現が逆説的で面白い。
蚊帳は狭いが、中にいると宇宙のような広さを感じるのが好き。
蛍と自分を照らし合わせて、日本への郷愁を感じているのか。
ブラジルの地方巡回中にホームステイした時の出来事。
作者と蛍との会話を詠んだ。

ふたあさ みあさ       清水つね子(三席)
近くの枝に飛び移れただけで
きじ鳩のひなよ
こんなに早く巣立ってゆくのか
自分で生きてゆこうとするのか

鳩を人間に置き換えた観察眼がよい。
作者の目に優しさを感じた。
巣立ち・別れの季節にぴったりの歌。
庭に巣を作った鳩。
尾長につつかれる雛を遠くから見ているだけの親鳥の姿に感動した。

私は             栗原貞雄(三席)欠席歌
タンポポの絮(わた)
風に乗って
ふわりと
宇宙の旅へ

「飛ぶ」をイメージさせる意表をついた歌。
宇宙飛行士の時事ネタにもリンクして面白い。
私も作者のように宇宙のたびをしたい。

<出席者>清水つね子、颯乙女、貞木、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、茶行、しのぶ
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by gogyouka | 2008-03-16 22:02 | マロニエ歌会レポート

2月度歌会レポート

2月17日(日)
今月はいつもの2F学習室3から1F学習室2に会場を変更して、歌会が行われました。
清水さんの退院後初めての出席にみんな安心と喜びを感じました。

祭りだ            しのぶ(一席)欠席歌
祭りだ
ことばは要らぬ
笑顔の波に酔いしれ
終日(ひねもす)カーナヴァル

友人から実際のカーニバルの話を聞いたばかり。
笑顔に酔いしれるブラジルの祭りは日本以上に熱いだろう。
サルバドールのカーナヴァルは全員参加型で、
リオで見る派手な山車や金ぴかの衣装はありません。
誰でも飛び入り参加ができる状態で、私も列に入って踊りました。
老若男女すべての楽しそうな笑顔に出会い、レトロな昭和の祭りという雰囲気です。
ちなみに日本のよさこいソーラン祭りはブラジルのカーナヴァルを
日本でも実現させたいという若者の熱望から始まったそうです。

「『可哀そう』と       望月成人(二席)
言われた方(ほう)が
可哀そう」と
祖父を諭す
障害児の母

三行目は「障害児」「祖父」どちらを指すのか、判断に苦しむ。
それによって意味合いが全く違うが、子が親を諭す事に重さを感じる。
妹が父に言ったことをそのまま歌にした。障害児といっても甥は片耳が
聞こえないだけだが、左から話しかけたら聞こえない。
そんな孫が可哀そうだと言うが、本人と親は可哀そうだと思っていない。
よって三行目は「障害児」を指すと思われる。

歩いていると         牧(三席)欠席歌
ことわりもなく
堰を切って流れ出る涙
――軽くなる心
この道は私を知っていてくれる

五行目の言葉が素敵で安心できる。
悲しい思い出のある道を歩いていたら、涙が自然に流れてきたのだろうか。
「道」は華道、茶道の「道」ではないだろうか。
作者からのコメントはなし。

<出席者>清水つね子、茶行、貞木、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、しのぶ、鉄路人、牧
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by gogyouka | 2008-02-17 21:24 | マロニエ歌会レポート

1月度歌会レポート

1月20日(日)

今年最初の歌会は4人で少々寂しいスタートとなりましたが、
歌会2日前に鉄路人さんに初孫が生まれ、大変喜ばしいニュースもありました。
また入選しなかった作品にあった「ひな廻り」という風習や「お福さん」という動物や
「白銀」という時間など沢山の知識も学べた有意義な歌会となりました。

命              栗原貞雄(一席)欠席歌
それは
鼓動より
始まった
時を刻むように

長男の嫁が身篭った時に胎動を感じた。とても実感がある歌。
「命の始まり」はわかりきっているが、上手にまとめられていて良かった、と言う意見もあれば、
ただまとまりすぎて五行目にもう少し工夫が欲しかった、という意見もありました。

御来光の拝める        清水つね子(二席)欠席歌
七階の病室
すなおに
ありがとうが
言える毎日

病室から御日様が拝める喜び、元気になって自宅に戻れる予感がする。
三行目の表現が良い。いやな思いをした翌日でも、太陽が出るとまた元気が出る。
作者は正月に入院・手術。その時の体験を詠んだ。

賀状を並べたか?       しのぶ(二席)欠席歌
ブラジルの新年の青空
小さな四角い凧を作り
裸足の少年らは
競って空に放つ

青空に白い凧が揚がる様子が見えるようだ。貧しい子供達だろうが、元気で楽しそう。
凧を賀状に見立てて日本にメッセージを送っているようだ。
作者はブラジルの真夏の空に凧を上げるたくさん子供達を詠んだ。

湯たんぽ抱いて        望月成人(三席)
布団に包まる
ちゃぽんちゃぽんは
羊水のような
子守唄

湯たんぽの音を羊水に喩えているが、羊水の音を聞いた事がないのでわからない。
「ちゃぽんちゃぽん」といえば「湯たんぽ」!擬音語が効果的だった。
作者は寒さで湯たんぽを抱いて寝たときの自分の姿が胎児のように思えた。
温かさと共に湯たんぽの音が眠気を誘い、まるで子守唄のようだった。

<出席者>颯乙女、鉄路人、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、しのぶ、清水つね子、茶行、貞木、ひで子、光枝
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by gogyouka | 2008-01-20 23:59 | マロニエ歌会レポート

12月度歌会レポート

12月9日(日)

今年最後の歌会は忘年会を兼ねているため、忘年会会場へ移動しやすいように会場を
中央生涯学習センターに変更し、通常より1時間遅く歌会がスタートした。
なお見学予定者1名は急用のため欠席で少々残念だったが、1年ぶりに菊池さんも参加し、
賑やかな歌会となった。歌会の作品は一席2首、二席2首の僅差の大接戦だった。

大地の頬を染めて       鉄路人(一席)欠席歌
日が昇る
わたしも今日も
人間の端くれに
加わらせていただきます

謙遜な人だ。私にはこういう気持ちがない。こういう人には幸いが多いのかな?
毎日生きているだけの自分なのに、心にしっかり受け止めて生きているのは素晴らしい。
朝早く起きていい気分だったのだろうか。
作者コメントは毎朝出勤時に駅のホームで見る風景。寒さに身を引き締めて見ている。

明日を切り拓く        望月成人(一席)
ナイフを研ぐには
砥石と水と
わたしが
要る

四・五行目に感動した。明日のために準備している自分が映し出されている。
自分がいないと自分の明日は拓けない。
作者は砥石を衝動買いして、包丁を研いでいるときに、ふと歌ができた。一行目は後付け。

ちいさな           清水つね子(二席)
にぎり鋏(ばさみ)
一丁
義母亡きあとの
秋の縁側

姑さんとお嫁さんのいい関係が伝わる。にぎりばさみでお義母さんを表現している点に趣がある。
作者は二十年位前に義母をガンで亡くした。
義母が愛用していた裁縫用のにぎり鋏と縁側を繋ぎ合わせて、物をして語らせたかった。
実景ではない。当時は嫁と姑のうとましさは感じなかった。

囲炉裏 竈(かまど)・・・  颯乙女(二席)
暮らしの中に
火の神は居て
スイッチ オンの世に
魔術師が棲む

囲炉裏、竈はなくなってきた。火の神の存在が薄れてきているなか、
「魔術師」という現代とうまく対比されている。
先日萱葺き屋根の実家に泊まって、囲炉裏、竈を見てきて、
自分は魔術師の世界にどっぷり浸っている。
作者は芋煮会で竈を使った。太古から神が火に降りてくると言う話があった。
世の中は魔術がかかったようなスイッチに入れ替わっている。

17時半より居酒屋に会場を移した。歌会欠席の茶行さんも出席して、
女性6名男性1名で五行歌を語りながら、2時間半楽しい時を過ごした。
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そこで来年の東京で開催される「世界大会」には歌会全員で参加しようと一致団結した。

<出席者>菊池美智江、清水つね子、颯乙女、貞木、まの字、望月成人
<作品のみ>栗原貞雄、茶行、鉄路人、牧
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by gogyouka | 2007-12-09 23:06 | マロニエ歌会レポート


想いのままを、五行で詠う。
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
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