2月20日(日)
節分の2月という事もあり、今月の題詠は「鬼」でした。
いろんな所に鬼がいるものです。
なお、今回は初来会者の見学がありました。
鬼になれ 鉄路人(一席)
鬼になれと
内なる声がして
不確かな心は
ふるえる
短い言葉で繊細な感じがした。少女が作ったような歌。
「鬼になれ」という内なる声は誰もが聞くのではないか。
4~5行目に心の中の葛藤を上手く表現している。
作者は強い心を持ってひとつの事に立ち向かう姿を詠んだ。
ときに出てきて 颯乙女(二席)
又戻る鬼
心の中に
仏と棲まわせ
上手に生きる
「自分の中の仏性を見て生きる」という本を読んだが、それに感じた良い歌。自分の中に持つ悪い面を鬼、良い面を仏として、コントロールしてバランスよく生きたいという強い意志を感じた。
作者は不安感もあり、なかなか上手に生きられないと反省の弁。
かーあさんを 雨乞伸治(二席)
叱る
寝たきりに
したくないから
鬼になる・・私
鬼って何だろう。人間の執念のあらわれ、人間のどろどろしたものが形にしたのが鬼であるが、この歌は人間の弱さだけでなく、つ余話を表現した斬新な歌。
娘が母親を看病する様子を歌にした。
敵は 清水つね子(三席)
神出鬼没の
関節の痛み
手甲脚絆(てっこうきゃはん)で
身を鎧(よろ)う
わが身にもおきているので、とても実感が沸く。
「敵」「神出鬼没」という強烈な言葉に対して、
手甲脚絆で武装するというユーモラスな感じがいい。
作者は転移性の痛みに苦しんだ時の歌。
朗読:鉄路人 書記:しのぶ
<参加者>茶行、しのぶ、清水つね子、颯乙女、鉄路人、望月成人
<作品のみ>雨乞伸治、栗原貞雄、まの字
<見学者>池田光子
【来月歌会開催予定】
3月13日14時
姿川市民センター 学習室3